召喚には対価がいるんだぜ?
召喚士のギィが受け継いだ先祖伝来のコートには、魔法陣が刻まれている。
そこには、月の神獣であるサキムが封じられているのだ。
幼くして天涯孤独となったギィは、契約により彼の主となり、共に旅をする。
血塗られた狼の森、鬼火が出る夜道、何者かにギィが憑かれた港町、亡者が湧き出る沼──
道すがら怪異に遭遇する度、サキムの力を借りた。
そして、その代償として彼に抱かれる。
いつしか、茨に囚われたように心を閉ざしていたギィは……。